短歌のピーナツ

堂園昌彦・永井祐・土岐友浩が歌書を読みます。

第27回 尼ヶ崎彬『近代詩の誕生―軍歌と恋歌』

日本最初の「詩」は軍歌だった!? 堂園昌彦 近代詩の誕生―軍歌と恋歌 作者: 尼ヶ崎彬 出版社/メーカー: 大修館書店 発売日: 2011/12 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログを見る こんにちは。 今回は尼ヶ崎彬『近代詩の誕生―軍歌と恋歌』(…

第26回 永田和宏『解析短歌論』

「ない」を見る眼 土岐友浩 解析短歌論―喩と読者 作者: 永田和宏 出版社/メーカー: 而立書房 発売日: 1986/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「短歌のピーナツ」第10回で、塚本邦雄の『新撰小倉百人一首』を取り上げた。その名の通り、百人一…

第25回 安田純生『現代短歌のことば』

永井祐 こんにちは。 今日は、安田純生『現代短歌のことば』(邑書林)です。 現代短歌のことば 作者: 安田純生 出版社/メーカー: 邑書林 発売日: 1993/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 1993年刊。 これは、文語に関するお話です。 …

第24回 小高賢『宮柊二とその時代』

宮柊二と戦後社会 堂園昌彦 宮柊二とその時代 (五柳叢書) 作者: 小高賢 出版社/メーカー: 五柳書院 発売日: 1998/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る こんにちは。堂園です。 今日やる本は、小高賢さんが1998年に五柳書院から出した『宮…

第23回 高島裕『廃墟からの祈り』

光を待つ 土岐友浩 廃墟からの祈り 2007年12月、京都で「いま、社会詠は」というシンポジウムが開催された。 小高賢が結社誌「かりん」の誌上で、イラク戦争などを背景として、現代における社会詠の難しさを論じ、青磁社の時評を担当していた大辻隆弘、吉川…

第22回 塚本邦雄『夕暮の諧調』

永井祐 こんにちは。 今日は、塚本邦雄『夕暮の諧調』(本阿弥書店)をやります。 定本 夕暮の諧調 作者: 塚本邦雄 出版社/メーカー: 本阿弥書店 発売日: 1988/11 メディア: ハードカバー この商品を含むブログ (1件) を見る もとは1971年刊(人文書院)、わ…

第21回 岡井隆・小池光・永田和宏『斎藤茂吉――その迷宮に遊ぶ』

ドリームチーム、茂吉を語る 堂園昌彦 斎藤茂吉―その迷宮に遊ぶ 作者: 岡井隆,小池光,永田和宏 出版社/メーカー: 砂子屋書房 発売日: 1998/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは。 今回の本は、1998年に砂子屋書房から出た、岡井隆・…

第20回 佐藤春夫『晶子曼陀羅』

事実か、真実か、それとも物語か 土岐友浩 晶子曼陀羅 (講談社文芸文庫) 作者: 佐藤春夫 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1993/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 与謝野晶子といえば歴史の教科書に「君死にたまふことなかれ」という詩…

第19回 小池光『街角の事物たち』

永井祐 こんにちは。 今日やるのは! 人は「そとづら」が9割 作者: 三枝理枝子 出版社/メーカー: アスコム 発売日: 2013/10/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る ではなく! 街角の事物たち (五柳叢書) 作者: 小池光 出版社/メ…

第18回 大岡信『一九〇〇年前夜後朝譚』

「短歌」と「和歌」の違いってなんだ 堂園昌彦 一九〇〇年前夜後朝譚―近代文芸の豊かさの秘密 作者: 大岡信 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1994/10/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは。 この「短歌のピーナツ」を始めてから、…

第17回 阿木津英『折口信夫の女歌論』

「折口信夫の女歌論」を越えて 土岐友浩 折口信夫の女歌論 (五柳叢書) 折口信夫は、国文学の大学者であり、近代社会を徹底的に批判したアウトサイダーでもあった。 * 近代短歌は、正岡子規が「写生」を唱えたところから始まった。言い換えれば、「写生」が…

第16回 小高賢『老いの歌』

永井祐 今日は、『老いの歌』(2011年刊・岩波新書・小高賢)をやります。 老いの歌――新しく生きる時間へ (岩波新書) 作者: 小高賢 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/08/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 小高さんは2009年に「老…

第15回 来嶋靖生『大正歌壇史私稿』

読みやすい大正歌壇史 堂園昌彦 大正歌壇史私稿 作者: 来嶋靖生 出版社/メーカー: ゆまに書房 発売日: 2008/04 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る こんにちは。 突然だが、皆さんが大正時代の短歌の流れをザッと概観したい…

第14回 枡野浩一『石川くん』

不来方への手紙 土岐友浩 石川くん (集英社文庫) 作者: 枡野浩一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2007/04/20 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (44件) を見る 昔やっていた「トリビアの泉」というTV番組では、なぜか啄木が取…

第13回 伊藤一彦『若山牧水 その親和力を読む』

永井祐 若山牧水―その親和力を読む 作者: 伊藤一彦 出版社/メーカー: 短歌研究社 発売日: 2015/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは。 今日は、伊藤一彦『若山牧水―その親和力を読む』(短歌研究社)です。 一年前くらいに出たわりと…

第12回 臼井和恵『窪田空穂の身の上相談』

窪田空穂39歳、身の上相談に答える 堂園昌彦 窪田空穂の身の上相談 作者: 臼井和恵 出版社/メーカー: 角川学芸出版 発売日: 2006/03 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 窪田空穂。1877年(明治10年)生、1967年(昭和42年)没。言わずと知れた結…

第11回 『現代の第一歌集―次代の群像』

吉田恭大 現代の第一歌集―次代の群像 作者: 田島邦彦 出版社/メーカー: ながらみ書房 発売日: 1993/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは、吉田恭大です。ご縁あってゲストに呼んでいただいて、久々に本の山を掘り返しました。 土岐さ…

第10回 塚本邦雄『新撰小倉百人一首』

星を編んだ眼 土岐友浩 新撰小倉百人一首 (1980年) 映画の「ちはやふる」が面白かったから、というわけでもないのですが。 競技かるたに使われる百人一首は、藤原定家が晩年に編んだもので、後世のものと特に区別する場合は「小倉百人一首」と呼ぶ。 もちろ…

第9回 塚本邦雄『新古今集新論』

永井祐 今日は塚本邦雄『新古今集新論』です。 新古今集新論―二十一世紀に生きる詩歌 (岩波セミナーブックス (57)) 作者: 塚本邦雄 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1995/11/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る この本を読んだのはずいぶん…

第8回 大辻隆弘『アララギの脊梁』

アララギはやっぱりおもしろい 堂園昌彦 アララギの脊梁 (青磁社評論シリーズ 2) 作者: 大辻隆弘 出版社/メーカー: 青磁社 発売日: 2009/02/10 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 面白い! 面白い! 面白い! いま一番おもしろい短…

第7回 山田航・編著『桜前線開架宣言』

一万匹の中の一匹の羊の眼 土岐友浩 桜前線開架宣言 作者: 山田航 出版社/メーカー: 左右社 発売日: 2015/12/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (5件) を見る 現代短歌の成果が、とうとう目にみえる形になってまとめられた。 2015年…

第6回 正岡子規『仰臥漫録』

美と楽しみの眼 土岐友浩 仰臥漫録 (岩波文庫) 作者: 正岡子規 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1983/11/16 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 56回 この商品を含むブログ (52件) を見る 正岡子規の文章を読むと、とても元気が出る。 子規の歌論といえ…

第5回 三枝昂之『前川佐美雄』

永井祐 前川佐美雄 (五柳叢書) 作者: 三枝昂之 出版社/メーカー: 五柳書院 発売日: 1993/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 今日とりあげるのは三枝昂之『前川佐美雄』。 93年刊。四六判ハードカバー、446P、人名索引までついたがっつりした…

第4回 大井学『浜田到 歌と詩の生涯』

優れた評伝と短歌の破調 堂園昌彦 浜田到―歌と詩の生涯 作者: 大井学 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2007/11 メディア: 単行本 クリック: 14回 この商品を含むブログ (2件) を見る 浜田到を知っているだろうか。前衛短歌運動の時代に活躍した歌人で、19…

第3回 岡井隆『辺境よりの註釈 塚本邦雄ノート』

岡井隆 塚本邦雄 辺境よりの註釈 星を動かす眼 土岐友浩 サブタイトルにある通り、岡井隆が塚本邦雄を読む、という本である。 書き出しは、こうだ。

第2回 花山多佳子『森岡貞香の秀歌』

永井祐 森岡貞香の秀歌 作者: 花山多佳子 出版社/メーカー: 砂子屋書房 発売日: 2015/12/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは。 永井祐です。 歌書ブログ、短歌のピーナツをやっていくことになりました。 家にある本、昔買った本、覚…

第1回 佐藤通雅『茂吉覚書 評論を読む』

評論は意外と開かれていると思う 堂園昌彦 茂吉覚書 (青磁社評論シリーズ) 作者: 佐藤通雅 出版社/メーカー: 青磁社 発売日: 2009/09/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは。堂園昌彦です。 今回は「短歌のピーナツ」第1回目。このブ…

このブログについて

堂園昌彦・永井祐・土岐友浩の3人が交代で短歌に関する本を読んでいくブログです。対象となるのは、批評、評伝、和歌論、入門書、エッセイ、インタビュー集、短歌史、アンソロジーなど、個人歌集以外の主に散文です。 ときどきゲストも登場します。 2週間…