短歌のピーナツ

堂園昌彦・永井祐・土岐友浩が歌書を読みます。

エッセイ

第52回 前登志夫『吉野鳥雲抄』

桜とともに 土岐友浩 吉野鳥雲抄 いつしか四月が来ている。 四月が来るのではなく、わたしのいのちという時間が確実にあらたな季節へ移っているのである。 うちなびく春来るらし山のまの遠き木末(こぬれ)の咲きゆくみれば (『万葉集』巻八) 尾張連(おわ…

第48回 林和清『京都千年うた紀行』

そうだ、京都を詠もう。 土岐友浩 京都千年うた紀行 作者: 林和清 出版社/メーカー: 日本放送出版協会 発売日: 2008/09 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る 旅のガイドブックと言えば、絶版だけれどガリマール社の「旅する21世紀」…

第42回 齋藤史『齋藤史歌文集』

永井祐 こんにちは。 今日は齋藤史『齋藤史歌文集』をやってみます。 斎藤史歌文集 (講談社文芸文庫) 作者: 斎藤史 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2001/09 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (3件) を見る 講談社文芸文庫なので入手はし…

第39回 吉井勇『東京・京都・大阪』

芸と酔態と 土岐友浩 東京・京都・大阪 (平凡社ライブラリー) 作者: 吉井勇 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2006/07/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 5回 この商品を含むブログ (9件) を見る まぼろしは見るものではなく、見せるものだ。短…

第28回 斎藤茂吉『斎藤茂吉随筆集』

永井祐 先日、とある会合の帰りの電車で、 同じ会に出ていた人と二人きりになった。 23時を過ぎた、それほど混んでいない中で並んで吊革につかまっていると、 その人が「永井さんは旅行、しないの?」と言ってきた。 「しない」という返事をはっきりと予想…

第22回 塚本邦雄『夕暮の諧調』

永井祐 こんにちは。 今日は、塚本邦雄『夕暮の諧調』(本阿弥書店)をやります。 定本 夕暮の諧調 作者: 塚本邦雄 出版社/メーカー: 本阿弥書店 発売日: 1988/11 メディア: ハードカバー この商品を含むブログ (1件) を見る もとは1971年刊(人文書院)、わ…

第19回 小池光『街角の事物たち』

永井祐 こんにちは。 今日やるのは! 人は「そとづら」が9割 作者: 三枝理枝子 出版社/メーカー: アスコム 発売日: 2013/10/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る ではなく! 街角の事物たち (五柳叢書) 作者: 小池光 出版社/メ…

第14回 枡野浩一『石川くん』

不来方への手紙 土岐友浩 石川くん (集英社文庫) 作者: 枡野浩一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2007/04/20 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (44件) を見る 昔やっていた「トリビアの泉」というTV番組では、なぜか啄木が取…

第6回 正岡子規『仰臥漫録』

美と楽しみの眼 土岐友浩 仰臥漫録 (岩波文庫) 作者: 正岡子規 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1983/11/16 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 56回 この商品を含むブログ (52件) を見る 正岡子規の文章を読むと、とても元気が出る。 子規の歌論といえ…