短歌のピーナツ

堂園昌彦・永井祐・土岐友浩が歌書を読みます。

評論

第57回 玉城徹『近代短歌とその源流ー白秋牧水まで』

大森静佳 こんにちは、京都の大森静佳です。 今回、ゲストとして短歌のピーナツに呼んでいただきました。 取り上げる本は玉城徹『近代短歌とその源流―白秋牧水まで』。迷いに迷って決めました。なんだか小難しそうなタイトルですが、一冊を貫いているテーマ…

第54回 塚本邦雄『茂吉秀歌「あらたま」百首』

永井祐 こんにちは。 今日は塚本邦雄・著『茂吉秀歌『あらたま』百首』(講談社学術文庫)をやります。 茂吉秀歌『あらたま』百首 (講談社学術文庫) 作者: 塚本邦雄 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1993/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を…

第53回 佐藤通雅『岡井隆ノート 『O』から『朝狩』まで』

岡井隆の初期とその時代について 堂園昌彦 こんにちは。堂園です。 今回で「短歌のピーナツ」開始1周年。にも関わらず、更新遅くなって本当にすみませんでした。 さて、今回取り上げたい本は、佐藤通雅さんの『岡井隆ノート』です。佐藤さんは「短歌のピー…

第51回 内野光子『現代短歌と天皇制』

牛尾今日子 こんにちは、わたしは牛尾今日子と申します。ゲストです。 去年の、いわゆる天皇陛下のお気持ち会見、そして平成が終わるという話は、みなさんの記憶に新しいことと思います。今回とりあげたいのは、天皇制と短歌の話です。 天皇制の話は、宗教的…

第50回 続 品田悦一『万葉集の発明―国民国家と文化装置としての古典』 

永井祐 こんにちは。 万葉集の発明―国民国家と文化装置としての古典 作者: 品田悦一 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2001/02 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (6件) を見る 今回はもう一回、品田悦一『万葉集の発明』をや…

第47回 品田悦一『万葉集の発明 国民国家と文化装置としての古典』

永井祐 こんにちは。 今日は、品田悦一(よしかず)『万葉集の発明』(新曜社・2001)をやります。 万葉集の発明―国民国家と文化装置としての古典 作者: 品田悦一 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2001/02 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 10回 この…

第46回 阿木津英『短歌のジェンダー』

そして、なぜ、短歌なのか? 寺井龍哉 短歌のジェンダー 作者: 阿木津英 出版社/メーカー: 本阿弥書店 発売日: 2003/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本郷短歌会の寺井龍哉です。東京では寒い日が続いています。少し歩くだけで寒さに身がち…

第45回 穂村弘『短歌という爆弾』

宇都宮敦 短歌という爆弾: 今すぐ歌人になりたいあなたのために (小学館文庫) 作者: 穂村弘 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/11/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る こんにちは、宇都宮敦です。ゲストです。とりあげるのは、穂村弘…

第37回 岡井隆『現代短歌入門』

60年代論争史 阿波野巧也 現代短歌入門 (講談社学術文庫) 作者: 岡井隆 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1997/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る こんにちは。阿波野巧也です。 去る11月23日、東京で行われたガルマンカフェで楽しくビー…

第35回 玉城徹『茂吉の方法』

茂吉「凡」歌 土岐友浩 茂吉の方法 (1979年) これは、方法の書である。わたしは、もっぱら、斎藤茂吉が、その短歌において用いた方法のみを、考察の対象にすることを心がけた。あるいは、次のように言った方が正確かもしれない、茂吉の作品を通して、「短歌…

第34回 岡井隆『森鷗外の『沙羅の木』を読む日』

永井祐 こんにちは。 今日は、さいきん読んだ本からやります。 森鷗外の『沙羅の木』を読む日 作者: 岡井隆 出版社/メーカー: 幻戯書房 発売日: 2016/06/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 岡井隆『森鷗外の『沙羅の木』を読む日』(幻戯書房…

第31回 吉本隆明『吉本隆明全著作集5』

永井祐 こんにちは。 最近いそがしくて。10月くらいとか、何かとあるんですよね。 そういうわけで、いつもより準備できてないんですが、 定期更新が大事であるブログなので、今回もやっていこうと思います。 本は、「吉本隆明 全著作集5(文学論Ⅱ)」(勁…

第29回 坂野信彦『七五調の謎をとく』

七と五のまわり 土岐友浩 七五調の謎をとく―日本語リズム原論 作者: 坂野信彦 出版社/メーカー: 大修館書店 発売日: 1996/10 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 14回 この商品を含むブログ (2件) を見る 昨日、こんなツイートが回ってきた。 @Perfect_In…

第26回 永田和宏『解析短歌論』

「ない」を見る眼 土岐友浩 解析短歌論―喩と読者 作者: 永田和宏 出版社/メーカー: 而立書房 発売日: 1986/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「短歌のピーナツ」第10回で、塚本邦雄の『新撰小倉百人一首』を取り上げた。その名の通り、百人一…

第25回 安田純生『現代短歌のことば』

永井祐 こんにちは。 今日は、安田純生『現代短歌のことば』(邑書林)です。 現代短歌のことば 作者: 安田純生 出版社/メーカー: 邑書林 発売日: 1993/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 1993年刊。 これは、文語に関するお話です。 …

第23回 高島裕『廃墟からの祈り』

光を待つ 土岐友浩 廃墟からの祈り 2007年12月、京都で「いま、社会詠は」というシンポジウムが開催された。 小高賢が結社誌「かりん」の誌上で、イラク戦争などを背景として、現代における社会詠の難しさを論じ、青磁社の時評を担当していた大辻隆弘、吉川…

第22回 塚本邦雄『夕暮の諧調』

永井祐 こんにちは。 今日は、塚本邦雄『夕暮の諧調』(本阿弥書店)をやります。 定本 夕暮の諧調 作者: 塚本邦雄 出版社/メーカー: 本阿弥書店 発売日: 1988/11 メディア: ハードカバー この商品を含むブログ (1件) を見る もとは1971年刊(人文書院)、わ…

第21回 岡井隆・小池光・永田和宏『斎藤茂吉――その迷宮に遊ぶ』

ドリームチーム、茂吉を語る 堂園昌彦 斎藤茂吉―その迷宮に遊ぶ 作者: 岡井隆,小池光,永田和宏 出版社/メーカー: 砂子屋書房 発売日: 1998/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは。 今回の本は、1998年に砂子屋書房から出た、岡井隆・…

第19回 小池光『街角の事物たち』

永井祐 こんにちは。 今日やるのは! 人は「そとづら」が9割 作者: 三枝理枝子 出版社/メーカー: アスコム 発売日: 2013/10/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る ではなく! 街角の事物たち (五柳叢書) 作者: 小池光 出版社/メ…

第17回 阿木津英『折口信夫の女歌論』

「折口信夫の女歌論」を越えて 土岐友浩 折口信夫の女歌論 (五柳叢書) 折口信夫は、国文学の大学者であり、近代社会を徹底的に批判したアウトサイダーでもあった。 * 近代短歌は、正岡子規が「写生」を唱えたところから始まった。言い換えれば、「写生」が…

第16回 小高賢『老いの歌』

永井祐 今日は、『老いの歌』(2011年刊・岩波新書・小高賢)をやります。 老いの歌――新しく生きる時間へ (岩波新書) 作者: 小高賢 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/08/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 小高さんは2009年に「老…

第13回 伊藤一彦『若山牧水 その親和力を読む』

永井祐 若山牧水―その親和力を読む 作者: 伊藤一彦 出版社/メーカー: 短歌研究社 発売日: 2015/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは。 今日は、伊藤一彦『若山牧水―その親和力を読む』(短歌研究社)です。 一年前くらいに出たわりと…

第8回 大辻隆弘『アララギの脊梁』

アララギはやっぱりおもしろい 堂園昌彦 アララギの脊梁 (青磁社評論シリーズ 2) 作者: 大辻隆弘 出版社/メーカー: 青磁社 発売日: 2009/02/10 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 面白い! 面白い! 面白い! いま一番おもしろい短…

第3回 岡井隆『辺境よりの註釈 塚本邦雄ノート』

岡井隆 塚本邦雄 辺境よりの註釈 星を動かす眼 土岐友浩 サブタイトルにある通り、岡井隆が塚本邦雄を読む、という本である。 書き出しは、こうだ。

第2回 花山多佳子『森岡貞香の秀歌』

永井祐 森岡貞香の秀歌 作者: 花山多佳子 出版社/メーカー: 砂子屋書房 発売日: 2015/12/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは。 永井祐です。 歌書ブログ、短歌のピーナツをやっていくことになりました。 家にある本、昔買った本、覚…

第1回 佐藤通雅『茂吉覚書 評論を読む』

評論は意外と開かれていると思う 堂園昌彦 茂吉覚書 (青磁社評論シリーズ) 作者: 佐藤通雅 出版社/メーカー: 青磁社 発売日: 2009/09/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こんにちは。堂園昌彦です。 今回は「短歌のピーナツ」第1回目。このブ…